学校に相談するとき、何をどう伝える?先生と一緒に考えるための準備

窓辺の机に置かれたノートと文房具のイメージ 学校とのつきあい方
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学校に相談したいことがある。でも、何から話せばいいのか分からない。

「細かい親だと思われないかな」「先生を責めているように聞こえないかな」「ちゃんと分かってもらえるかな」と、話す前から緊張するママもいると思います。

学校との相談は、上手に話すことが目的ではありません。家庭で見えていることと、学校で見えていることを持ち寄って、子どもが少し過ごしやすくなる方法を一緒に探すことが目的です。

相談前に、5つだけメモしておく

長い説明資料を作る必要はありません。次の5つを箇条書きにしておくだけでも、話が整理しやすくなります。

  • いつから気になっているか
  • 家庭で何が起きているか
  • 子ども本人が何と言っているか
  • 学校で確認したいこと
  • 今、一緒に考えてほしいこと

たとえば、「最近、朝になると腹痛を訴えます。本人は『教室に入るのがしんどい』と言っています。学校では最近どんな様子でしょうか。まず今週、本人が安心して過ごせる方法を一緒に考えたいです」という形です。

「事実」と「推測」を分けて話す

相談が難しくなる一つの理由は、心配が大きいほど、事実と推測が混ざりやすくなることです。

「毎週月曜日の朝に腹痛を訴える」は事実です。「先生が怖いからだと思う」は、今の時点では推測かもしれません。

推測を話してはいけないわけではありません。「私はこう感じていますが、学校ではどう見えていますか」と分けて伝えると、相手も一緒に考えやすくなります。

子どもの言葉は、できるだけそのまま伝える

「学校が嫌みたいです」と要約するより、本人が「休み時間が怖い」「給食になるとお腹が痛い」「何をすればいいか分からなくなる」と話したなら、その言葉をできるだけそのまま共有します。

子どもの言葉には、支援の手がかりが含まれていることがあります。

まず学校側から見えていることを聞く

家庭では、とてもつらそうなのに、学校からは「普通に過ごしています」と言われることがあります。

ここで「分かってもらえていない」と感じることもあると思います。でも、家庭と学校で様子が違うこと自体は珍しいことではありません。

厚生労働省も、家庭と学校では子どもの状態が異なる場合があり、それぞれの情報が十分に伝わらないことで対応が難しくなることがあるとしています。

「授業中はどうですか」「休み時間は誰といますか」「保健室に来ることはありますか」「最近変わった様子はありますか」と、学校で見えている事実を聞いてみます。

お願いは、一度にたくさん出さなくていい

心配なことが多いと、学校にお願いしたいことも増えます。

でも最初の相談では、「まず何を試すか」を一つか二つに絞る方が、実施した後の様子を確認しやすくなります。

たとえば、

  • 朝、教室に入りにくい日は保健室に寄れるようにする
  • 課題の量を一時的に調整できるか相談する
  • 困ったときに本人が声をかけられる先生を決める
  • 一週間後に家庭と学校で様子を共有する

などです。実際に可能な対応は学校や子どもの状況によって異なるので、学校と相談して決めます。

担任だけで抱えなくてもらう

子どもの困りごとが続いているとき、担任の先生一人だけに解決をお願いする必要はありません。

養護教諭、スクールカウンセラー、特別支援教育コーディネーター、教育相談担当、学年主任、管理職など、学校には複数の立場があります。

研究でも、保護者と担任の協働を支えるスクールカウンセラーの役割として、保護者のニーズをくみ取り、担任を支え、双方のコミュニケーションや子ども理解をつなぐことが整理されています。

「先生だけでなく、養護教諭やスクールカウンセラーにも一緒に考えてもらえますか」と尋ねて構いません。

話がかみ合わないときは、次の確認点を決める

一度の面談で、お互いの見方が一致しないこともあります。

そのときは、無理に結論を合わせるより、「何を確認したら次に進めるか」を決めます。

  • 学校で一週間、特定の時間帯の様子を見てもらう
  • 家庭では睡眠や腹痛の記録を取る
  • 本人に無理のない範囲で気持ちを聞く
  • 次回の相談日を決める

「今は分からない」を共有できることも、協働の一部です。

ただし、安全に関わることは遠慮しない

いじめ、自傷、「死にたい」という発言、暴力、重大な体調不良など、安全に関わる情報は、「大げさと思われるかも」と遠慮せず、具体的に伝えてください。

いつ、どこで、何があったか、本人が何と言ったかを記録して伝えます。必要に応じて担任だけでなく管理職や専門職、学校外の相談機関にもつなぎます。

ママへ

学校へ相談するとき、完璧な説明は必要ありません。

「私はこう見えています。学校ではどうでしょう。一緒に考えてほしいです」

その一言から始めても大丈夫です。

養護教諭として働いていた頃、家庭から聞く子どもの姿が、学校での見え方を変えてくれることがありました。学校側の情報が、ママの「なぜだろう」を少し整理してくれることもあります。

どちらかが正しいと決めるのではなく、違う場所から見えた同じ子どもの姿を持ち寄る。そのための相談でよいのです。

参考にした主な資料

厚生労働省「ご家族と学校の連携、相談の仕方」

厚生労働省「ご家族の方へ―学校に相談する方法」(2026年9月確認)

平田祐太朗「小学校における発達障害児童の保護者と担任教師の協働を支えるスクールカウンセラーのアプローチ」教育心理学研究63巻1号

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