「Laugh〜ママの保健室〜」という名前をつけたのは、子どものためだけではなく、ママ自身が少し力を抜いて、話して、また日常へ戻っていける場所をつくりたいと思ったからです。
私はこれまで、保健師として子育て家庭に関わり、看護師として、養護教諭として、そしてこころの支援に関わる現場で、たくさんの子どもとお母さんに出会ってきました。
その中で、ずっと心に残っていることがあります。
それは、子どもの問題が大きくなったとき、その背景に「お母さんがずっとしんどかった」ということが少なくない、ということです。
子どもの前に、ママがひとりで抱えていた
保健師として家庭に関わっていた頃、子育ての孤独や不安が積み重なり、お母さん自身が追い詰められている家庭に出会うことがありました。
虐待という言葉が出てくるような状況でも、その前には、眠れない日が続いていたり、誰にも相談できなかったり、どう育てればよいのか分からないまま頑張り続けていたりすることがあります。
もちろん、子育てのしんどさだけで虐待を説明することはできません。家庭ごとに背景は違います。ただ、現場で感じたのは、問題が深刻になってから支えるだけでなく、もっと早い段階で「ちょっとしんどい」と言える場所が必要なのではないかということでした。
「こんなことで相談していいのかな」
「病院へ行くほどではないし、カウンセリングを受けるほどでもない」
「でも、なんとなくずっとしんどい」
そんなときに、少し話せる場所があればいい。ずっとそう思ってきました。
「分かってもらえない」しんどさ
支援学校に通う子どものお母さんたちとも関わってきました。
周りに同じような悩みを持つ人が少なく、身近な人に話しても分かってもらいにくい。子どものことを説明するだけで疲れてしまう。将来のことを考えると不安になる。
そうしたお母さんたちの話を聴く中でも、同じ立場の人とつながれたり、安心して相談できたりする場の必要性を感じました。
悩みを解決してくれる人が必ず必要なのではなく、「それ、分かるよ」と言ってもらえるだけで少し楽になることもあります。
自分だけではなかったと思えることが、次の日を迎える力になることもあります。
保健室で見てきた「エネルギーチャージ」
その後、養護教諭として学校の保健室で子どもたちと関わりました。
朝から体が重い。頭が痛い。教室へ行きたくない。友だちのことが気になる。でも、それをうまく言葉にできない。
そんな子どもたちが保健室へ来ます。
すぐに何かを解決できるわけではありません。
少し横になる。水を飲む。何でもない話をする。ぽつぽつと気持ちを話す。
そして、少し元気になった頃に、
「先生、教室の近くまで一緒に来てくれたら、行けるかも」
と言って、また教室へ戻っていく子がいました。
その姿を見ながら、私は保健室の役割の一つは、いったん力を抜いて、エネルギーをため直すことなのだと思っていました。
病気を治すだけではない。悩みを全部解決するわけでもない。
でも、少し休み、少し話し、「もう少しやってみようかな」と思える。
ママにも、そんな場所が必要なのではないか。
それが「ママの保健室」という言葉につながっています。
ママの心とからだを、分けて考えない
子育てをしている女性の体には、いろいろな変化があります。
眠れない。頭が痛い。肩がこる。足がだるい。便秘が続く。疲れが抜けない。気持ちが落ち込む。イライラする。
子育ての時期と更年期が重なる人もいます。
心がしんどいから体に出ているのか、体がしんどいから気持ちまで落ちているのか、自分でも分からないことがあります。
私は、看護師、保健師、養護教諭として学び、働いてきた経験から、心とからだは別々に切り離して考えにくいと感じています。
ただし、すべての不調を「自律神経のせい」「ストレスのせい」と決めつけることはしたくありません。体の不調には医療的な確認が必要な場合もあります。
大切なのは、ママ自身の不調を「これくらい我慢しなきゃ」と後回しにしないことです。
ママが笑顔でいなければならない、ではなく
家庭の中で、お母さんの存在はとても大きいと感じることがあります。
でも、それは「ママはいつも明るく笑っていなければならない」という意味ではありません。
そんなことを言われたら、それだけでまた一つ、ママの荷物が増えてしまいます。
Laughが大切にしたいのは、ママ自身も支えてもらっていいということです。
疲れた日は疲れたと言っていい。何もしたくない日があっていい。誰かに話を聞いてほしい日があっていい。
少し休めて、少し気持ちがほどけて、結果として笑顔になる日が増えたらいい。
その順番でいいと思っています。
だから「Laugh」と名づけました
「Laugh」には、二つの思いがあります。
一つは、笑顔。
もう一つは、少し肩の力を抜いて、ラフに話せること。
ちゃんと話さなければならない場所ではなくていい。
「今日ちょっとしんどい」でもいい。
「子どものことでどうしたらいいか分からない」でもいい。
「自分の体調がいまいちだけど、どこに相談したらいいか分からない」でもいい。
そんなところから始められる場所にしたいと思っています。
最終的につくりたいのは「居場所」
今はブログという形で始めています。
でも、私が最終的につくりたいのは、情報を読むだけの場所ではありません。
ママと子どもが安心して集まれる居場所。
同じような悩みを持つ人と横につながれる場所。
子育てや心とからだのことを学べる場所。
必要なときには、学校、医療、福祉、地域の支援者につながれる場所。
家から出ることが難しい人もいるでしょう。人が集まる場所が苦手な人もいるでしょう。それなら、オンラインでつながる方法もあるかもしれません。
一つの形にみんなを合わせるのではなく、その人に合うつながり方をつくっていきたいと思っています。
支えてもらった経験が、いつか誰かの力になる
しんどいときには、まず誰かに支えてもらっていい。
そして少し元気になったとき、その人が経験したことや、かけてもらってうれしかった言葉が、今度は誰かの力になることがあります。
「私もそうだったよ」
「あのとき、こういう場所が助けになったよ」
そんな言葉が横につながっていく。
支援する人と支援される人をきれいに分けるのではなく、その時々で支えたり、支えられたりできるコミュニティーにしていきたいと思っています。
ここから始めます
まだ、やりたいことのすべてが形になっているわけではありません。
まずはこのブログで、子どもの心とからだ、発達、不登校や学校生活、学校とのつきあい方、居場所、そしてママ自身の心とからだについて書いていきます。
読んだあとに、すべての問題が解決しなくてもいい。
少し気持ちが整理できた。誰かに話してみようと思えた。今日は少し休もうと思えた。明日、一つだけやってみようと思えた。
そんな小さな変化につながればと思っています。
ママにも、保健室のような場所を。
それが「Laugh〜ママの保健室〜」の始まりです。
