朝、子どもから「学校に行きたくない」と言われると、ママの頭の中には、いろいろな思いが一度に浮かぶと思います。
今日だけなのかな。このまま休ませていいのかな。学校で何かあったのかな。私の関わり方が悪かったのかな。
朝は時間もなく、ママ自身も焦ります。そんなとき、最初から原因も答えも全部見つけようとしなくて大丈夫です。
まず大切なのは、「学校へ行くか、休むか」だけを見るのではなく、今の子どもの心とからだを確認することです。
最初の5分で見たいこと
厚生労働省は、子どものこころのSOSが、睡眠、食欲、体調、行動の変化として表れることがあるとしています。大切なのは「いつもと違うか」という見方です。
朝は、次のようなことを静かに見てみてください。
- 昨夜は眠れていたか
- 朝、起きることがいつも以上につらそうではないか
- 食欲はあるか
- 頭痛、腹痛、吐き気、強いだるさなどはないか
- 表情、声、会話の量がいつもと違わないか
- 学校のことを考えたときに、強い恐怖や混乱が出ていないか
「学校に行きたくない」という言葉だけでは、その背景は分かりません。不安、友人関係、学習、先生との関係、生活リズム、発達特性、心身の不調など、さまざまな要因が重なることがあります。近年の研究レビューでも、不登校の背景は一つではなく、本人、学校環境、家庭など複数の側面から検討する必要があることが示されています。
理由を一度に聞き出そうとしなくていい
心配になると、「何があったの?」「誰かに何かされた?」「どうして行けないの?」と聞きたくなります。
けれど、子ども自身も理由を整理できていないことがあります。話したくても、言葉にならないこともあります。
厚生労働省も、子どもの様子が気になるときには、問いつめるのではなく、まず気持ちや状態を聞くことから始めるよう案内しています。
たとえば、こんな声のかけ方で十分です。
「今日は学校に行くのがしんどいんだね」
「今はうまく話せなくても大丈夫だよ」
「話せそうになったら聞かせてね」
すぐに解決するための言葉というより、「ここでは責められない」「話しても大丈夫」と感じられる空気をつくる言葉です。
「行かせる」「休ませる」の二択を急がない
ママにとって一番苦しいのは、「今日はどうするの?」と決めなければならない瞬間かもしれません。
ここで大切なのは、登校を強く迫ることだけでも、反対に「もう行かなくていい」と先のことまで決めてしまうことでもありません。
文部科学省は、不登校の支援について、単に「学校に登校する」という結果だけを目標にするのではなく、子ども自身の状況やニーズを踏まえ、社会的自立に向けて支えることを基本としています。同時に、学校とのつながりや学びの機会を確保し、一人ひとりに応じた支援を進めることも重視しています。
その朝に体調が悪く、強い不安があり、会話も難しい状態なら、まず安全と心身の落ち着きを優先することがあります。一方で、本人が「保健室なら行けそう」「2時間目からなら行けるかも」と言うなら、その選択肢を学校と相談できる場合もあります。
その子の今日の状態を見ながら、小さな選択肢を一緒に考える。それでよいと思います。
学校には、短く事実を伝えればいい
欠席や遅刻の連絡をするとき、ママが原因を説明しきる必要はありません。
たとえば、
「今朝、本人が学校に行くことをかなりつらそうにしています。今日は休ませて様子を見ます。学校で最近気になる様子があれば教えてください」
くらいでも、状況共有の第一歩になります。
家庭では見えない子どもの様子を学校が知っていることがあります。厚生労働省も、家庭と学校では子どもの様子が異なることがあり、互いに情報を共有して支えることが大切だとしています。
担任以外にも相談できる
学校への相談先は担任だけではありません。
- 養護教諭
- スクールカウンセラー
- 教育相談担当
- 学年主任や管理職
- 教育支援センター
などにつながれる場合があります。
子ども本人が相談を嫌がっているときでも、まずママだけで養護教諭やスクールカウンセラーに相談する方法があります。厚生労働省も、保護者だけで学校の専門職に相談する方法を紹介しています。
メモしておくと役に立つこと
一日ごとに結論を出す必要はありません。ただ、様子が続くときには、簡単な記録が役立ちます。
- 眠った時間、起きた時間
- 食欲
- 頭痛や腹痛などの体調
- 「行きたくない」が強くなる曜日や時間
- 学校の話題を出したときの様子
- 家では元気に過ごせている時間があるか
- 子どもが話した言葉を、できるだけそのまま
診断するための記録ではありません。学校や医療機関、相談機関に相談するとき、「いつから」「どんな変化があるか」を伝えやすくするためのメモです。
早めに専門家へ相談したいサイン
「学校に行きたくない」という言葉の背景に、心身の病気や強いストレスが隠れている場合もあります。
睡眠、食欲、体調、行動の大きな変化が続いているとき、日常生活への影響が強くなっているときは、学校の相談先や地域の相談機関、医療機関への相談を検討してください。
特に、
- 「死にたい」「消えたい」「いなくなりたい」などと話す
- 自分を傷つける行為がある
- 安全を保てないほど混乱している
- 重い身体症状がある
といった場合は、登校の判断より安全の確保を優先してください。厚生労働省は、自殺のリスクが感じられるときには子どもを一人にせず、切迫している場合は速やかに専門家へ相談するよう案内しています。
相談先が分からないときは、このサイトの「困ったときの相談先」も使ってください。
ママ自身も、一人で抱えなくていい
子どもの「行きたくない」が続くと、ママは毎朝緊張します。
今日は行けるのか。仕事はどうしよう。学校には何と言おう。このままで大丈夫なのか。
子どものことを考えるだけで、一日が終わってしまうこともあります。
でも、ママ一人で原因を見つけて、一人で学校と調整して、一人で子どもを元気にしなければならないわけではありません。
学校や相談機関に「私もどうしたらよいか分からなくなっています」と話して大丈夫です。
私も母として、子どものことになると、知識だけでは気持ちが追いつかないことがあります。だからこのブログでは、「正しい対応」を押しつけるのではなく、今できることを一緒に整理していきたいと思っています。
今日の朝にできること
今日すべてを決めなくても大丈夫です。
まずは、
- 子どもの心とからだを見る
- 理由を急いで聞き出さない
- 今日できそうな小さな選択肢を一緒に考える
- 学校には事実を短く伝える
- 続くときは、一人で抱えず相談する
そこまでで十分な朝もあります。
ママも一度、息を吐いてください。子どもの今日と、これから先の全部を、今この朝だけで決めなくていいのです。
参考にした主な資料
文部科学省「不登校対策(COCOLOプラン等)について」(2026年9月確認)
文部科学省「不登校の児童生徒等への支援の充実について(通知)」
文部科学省「令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について」
